アイアンマン

誰かおれにラジオ番組をくれ。話したいことがいっぱいあるんだ。偽者の霊媒師たちにしょんべんみたいな霊感。おれは本物のシャーマンだ。精霊がおれのなかで怒っている。どうしておまえはおれを頭のなかに閉じ込めておくんだ。偽善者たちに神の雷を落とすんだ。正気を失ったアイアンマンが、邪悪な群集の手足をもぎとる。人々は無意識に気づいている。自分たちは罰をうけるべきだと。たくさんの痛みと苦しみがいつか必ず自分たちにおとずれると。人々は一人残らず血の涙をながすだろう。キリストの墓をほりおこす。そしてシャーマンにすがる。頭のまわるやつはきづいたようだ。自分たちがゆるされることはないということに。そいつらは神の同情をひくために自らを罰しはじめる。妻の首をきりさき、子供をレイプして生きたまま燃やした。そいつらは気づいたはずだ。アイアンマンが仮面のしたで笑っていることに。調子づいた群集はさらに多くの人間を拷問して殺し始める。アイアンマンは静かに見守っていた。人々は狂気のなかでなぜ自分たちが殺しあっているのか忘れてしまっていた。そして頭のいかれたひとりの男がアイアンマンを罵倒し始めた。しばらくアイアンマンは動かなかったが、やがてゆっくりとゆっくりと立ち上がった。